「お祭り行かない!」 16時45分。お昼寝したての所を起こされた3歳の娘は、怒りとイライラと眠たさと、あらゆる絶望の感情を爆発させて泣きじゃくっていた。 今日は幼稚園で開催される森の夏祭り。 みんなで手作りの灯籠を持ち寄って灯したり、夜店でゲームができたり、夏休み前に一生懸命練習していた盆踊りを踊れたりと、前から楽しみにしていた一大イベントだ。 それなのに、寝起きの機嫌がすこぶる悪かった娘は床に突っ伏したまま泣いたり、布団を叩いたりしている。 「17時30分には行かないといけないのに、まいったなぁ」 娘がこの不機嫌ループに入るとそこから脱するまではかなり長い。30分しても機嫌が治らないなんてことだってざらにある。 浴衣にも着替えさせたいし、準備し忘れていたロウソクも買いに寄らなくちゃいけないし。 とにかく1分でも早く機嫌を直してもらおうと、優しく声をかけてみる。 「いや! パパあっちいって