打合せとかでも、その人のペースについていくのが精一杯で、会社に戻った後に 共に出席した上司とのおさらいが不可欠だった。 その人にとっては小走りに過ぎないのに、俺たちは全力疾走しないとあっという間に 置いて行かれてしまう感じだった。 仕事一辺倒ではなく、ほとんど定時内に必要な作業を終わらせる能力があるので、 充実した余暇を過ごしているようだった。 頭の悪い人間が大っ嫌いのようで、その人の言っていることを一回で理解で 出来ないと、露骨に軽蔑された。 その人の唯一の弱点が、部下を育てられないことだった。 打合せの席でも、部下の人たちが気の毒なくらい怒鳴れていた。 「何でお前みないなバカの面倒を見るために、俺が残業しなくちゃならいんだ?」 その部下の人だって早稲田や慶応を出た秀才なんだけど、ほとんど潰されて しまって、他の部署に配置転換されていた。 (俺はその部下の人たちと仲良くなって、居酒屋でよ