エモい代物をエモエモ読んじゃ涙を流すのが胸を張って威張れることになったり、型抜き生産のプロレ向けポルノを文句一つ言わずに消費するのが小洒落た態度ということになったりしているうちに、この世からは小説を読むための最低限のリテラシーさえ失われてしまったらしい。どちらにも共通しているのは恐るべき無恥だ。当然、恥ずかしいとさえ思わないから、無知もまた堂々と蔓延ることになる。 プロレ向けポルノ愛好家は今や、機械の作った小説に簡単に萌えさせられるばかりか(それも十分恥ずかしいが、萌えたというなら仕方がない)、機械に萌えさせられているということを威張る始末だ。こんなに大勢の人間とおんなじ代物で抜いてるんだぞ、って、ずらっと横一列に並んでオナニーしながら威張られたってな。まあ、教師時代に学生から聞いた話じゃ、市場は神、横並びオナニーこそ未来、居並ぶ自涜者の列が長ければ長いほど偉い本、ということなんだが、それ