後半5分だった。タックルをかわした後、相手選手の体重が右ひざにかかった。痛みをこらえきれずにグラウンドにうずくまった大畑は、担架で医務室に運ばれた。マッチドクターの診断は膝蓋腱(しつがいけん)の断裂。10日に入院し、11日に手術をする予定で、今季中の復帰は絶望となり、思わぬ形で現役ラストゲームを迎えてることになった。 先月25日のサントリー戦で右肩を脱臼し、負傷をおしての出場だった。地元最終戦で、試合後にはセレモニーも予定されていたが、思わぬ落とし穴が待っていた。 緊急会見を行った大畑は「唯一無事だったひざが壊れた。普通に生活するのに2、3カ月かかる。復帰はもう無理。終わりました」と話すと、涙が止まらなくなった。 1996(平成8)年の初代表入り以降、日本ラグビー界の顔として活躍してきた。99年と2003年のワールドカップ(W杯)に出場し、日本代表で58キャップ、テストマッチでは世界最多の