国立天文台は4月6日、地球の生命の源となるアミノ酸が隕石とともに宇宙から地球に持ち込まれた可能性を支持する観測結果を発表した。同発表は、これまで多くの科学者が主張してきた「地球上の生命は宇宙から飛来した隕石に含まれるアミノ酸に由来する」という説を裏付けるものと言える。 アミノ酸は互いに鏡像の関係にあり、L型(左型)とD型(右型)に分類されている。地球上の生命を構成するたんぱく質はアミノ酸から構成されているが、ほとんどが左型になっており、生命の起源と関わりがあるのではないかと考えられてきた。 宇宙空間でアミノ酸の偏りをもたらす原因に、円偏光という特殊な光による化学反応がある。国立天文台のメンバーをはじめとする日英豪米による研究グループは、円偏光をとらえる近赤外線偏光観測装置(SIRPOL円偏光モード)を開発し、オリオン座の星形成領域であるオリオン大星雲の中心部の円偏光撮像の観測を行った。 円