ソニーは、頭部に装着するタイプの映像機器、つまりヘッドマウントディスプレイの「グラストロン」を1990年代後半に販売し、そのユニークなコンセプトと使い勝手で多くのファンを獲得した。今回取り上げる「HMZ-T1」は、その21世紀版といえなくもない製品だ。しかし、その内容と画質を見る限り、完全に似て非なるものであった。 まず過去のモデルとの最大の差異であり、「HMZ-T1」の大きな特長となっているのが、画質に大きくかかわるスペックの部分だ。表示パネルには、1280×720ピクセルの解像度を持つ有機ELパネルを採用。3Dに対応し、光学レンズによる45度の視野角を実現している。 3D表示に関しては、一般的なテレビでは実現が難しい大きなメリットを持つ。それは、1眼につき1枚のパネルが用意されている構造により、3D表示においてなにかと問題になるクロストークや解像度の低下が全く発生しない、ということだ。