リーグ最終戦のホームゲームに敗れながらも、4年連続のJ1残留を決めた後、チーム最年長の土屋征夫は、重い荷物を下ろしたような表情で言った。 「みんながチームのなかで崩れずに、人のことを思い遣って、人のために犠牲になって、いろんなことを話し合ってやってきたことが、こういう結果になって出たと思う。そういう強く仲間を想う心が、甲府の色なので。それがこういう結果につながって良かった」 もしも、甲府がそうした特色のあるチームでなかったならば、早い段階で内部崩壊を起していてもおかしくなかっただろう。 「この練習をやっていて、サッカーが上手くなれると思えない」 「こんな練習に意味はないって、書いちゃってくださいよ」 「練習試合をほとんどやらない。実戦のスピード感のなかで迫られる判断や、フルサイズのピッチでやって初めて出るミスがあるのに。それを確認したり修正したりする機会がない」 憤懣やる方ない