筆者はあるレベルでは、ドイツの新たな中道右派政権が公約を果たせることをかなり楽観している。来月早々に連立協定が成立する際に、一定の減税と構造改革が盛り込まれる可能性だってある。 銀行セクターの問題解決についても、進展が見られるだろう。これは、それなりのペースの景気回復を確実なものにするために必要な最低限の要素だ。 しかし、ユーロ圏のレベルで起きていることについては、筆者はほとんど絶望している。この点では、ドイツの新連立政権が経済統治の質において大した違いをもたらさないのではないかと危惧しているからだ。 誰が後継者になろうとも、社会民主党(SPD)のペール・シュタインブルック氏の財務相退任によって、ドイツの財政面での駆け引きは改善するはずだ。だが結局、改善は上辺のものにとどまり、中身を伴うものにはならないと思われる。 根底にある問題は、ユーロ圏内の政策の乖離である。一方にフランス、ス