【バンコク鵜塚健】タイの首都バンコクの住民の間で、ワニへの警戒感が強まっている。洪水で郊外のワニ養殖場から逃げ出したワニが、浸水地域の広がりとともにとうとう首都まで“進出”。今月3日には男性(29)が「ワニにかまれた」と訴え100針を縫うけがをしたほか、7、8日に相次いでバンコク都内でワニが捕獲された。逃亡中のワニはまだ多数いる可能性があり、政府は1匹1000バーツ(約2500円)の「懸賞金」も設けて捕獲に躍起だ。 タイは世界最大級のワニ養殖国。地元紙によると、バンコク周辺のナコンパトム県やノンタブリ県などのワニ養殖場で約70万匹が飼育され、ワニ革バッグなどの加工のため出荷される。洪水で養殖場が水没。数十匹が生け捕りまたは射殺されたが、逃げた総数は不明。 今月7日、バンコク西部の住民が「体長約1・5メートルの首輪をつけたワニ3匹を目撃した」と通報。周辺一帯が騒然となる中、ハンターが派遣され