インターネットの検索サイト「グーグル」を使うと、12年前に逮捕されたことがわかるとして、札幌市の50代男性が検索結果の削除を求めた仮処分申請に対し、札幌地裁は7日、検索結果が表示されないようグーグルに命じる仮処分決定を出した。 伊藤太一裁判官は「男性の犯罪経歴をネット上で明らかにする利益が、これを公表されない法的利益を上回っているとはいえない」と判断した。 決定や男性の代理人弁護士によると、男性は2003年に逮捕され、罰金20万円の略式命令を受けた。逮捕を匿名で報じた記事がネット掲示板に転載されると、男性の氏名が数回、書き込まれたという。昨年11月に男性がグーグルで自分の氏名を検索したところ、そのネット掲示板が表示されたため、今年10月に「プライバシーや名誉権を侵害している」と訴えていた。 グーグルは「決定を受け取っていないので、コメントできない」としている。(坂東慎一郎)