八窓庵と小堀遠州 札幌に息づく大名茶人の遺産 中島公園の日本庭園にひっそりとたたずむ茶室 「八窓庵(はっそうあん)」。 安土桃山時代・江戸時代初期の大名茶人 小堀遠州(こぼりえんしゅう)の作といわれています。 およそ四百年前に造られた貴重な遺構が、 なぜ札幌にあるのでしょうか。 そして、小堀遠州とはどんな人物だったのか。その歴史をたどります。 札幌によみがえった八窓庵 都心にありながら豊かな緑に囲まれた中島公園。 その中にある日本庭園では、ひっそりと立つ木造の建物が、森閑とした雰囲気をさらに引き立たせています。 その建物が八窓庵(旧舎那院忘筌―しゃないんぼうせん)と呼ばれる茶室であり、およそ四百年前に活躍した大名茶人小堀遠州の晩年の作と伝えられています。 もともと、八窓庵は遠州の居城であった近江国(滋賀県)小室城内にありました。 流転の末、遠く離れた札幌にたどり着くことになりました。 発端