今週のコラムニスト:李小牧 〔2月12日号掲載〕 主に現地でコメンテーターとしてテレビ出演するため、1カ月に1回は中国に帰る私だが、この頃は3日程度ですぐ日本に戻りたくなる。理由は簡単。あまりに空気が悪いからだ。 連日ニュースで話題になったのでご存じの読者も多いだろうが、最近中国各地の都市部で深刻なスモッグが発生して、国民の生活に多大な影響が出ている。ただでさえ数が少ないせいで数時間待ちの行列が当たり前の中国の病院は、今や喉や目の痛みを訴える患者でパンク寸前だ。 北京など中国北部はこの時期、最高気温が0度という厳しい寒さを迎える。中国人は屋内暖房用として「暖気(ヌアンチー、蒸気スチーム)」をガンガンたいてこの季節を乗り切るのだが、問題はその燃料。石炭を燃やすので、大量の排ガスが出るのだ。 この時期にスモッグが大量発生しているのは、明らかに屋内暖房用に石炭を燃やし過ぎていることが原因。だが、