これもすべてわたしなのだとしたら この世は自分の写し鏡なのかもしれない。 見えている世界は、もしかしたら 自分が想像している世界なのかもしれない。 このことは自分ではあまりよく、分かっていない。 だからうん、そうだそうだと、素直に頷くことはできない。 けれどもしそれを、そうなんだということにすれば。 今見ている世界が、自分の写し鏡なんだと思ってみれば。 駅前でなぜか激しく鳴きまくるワンちゃんも。 私の前に立つ、チョコパイを買おうとしているお兄さんも。 そのチョコパイ自身も。 私なんだということになる。 あのチョコパイ、私なんだと思ったら、 なんだかおかしくなってきて、笑った。 見えている世界って、これなんですっていう正解がないから。 本物かどうかはわからない。 けれどもし見えているものが全部わたしだったとしたら。 せめて、優しくしようと思った。