――本庶先生、しばらく趣味のゴルフはできないかもしれないな。昨日の記者会見を見ながら、私はそんなことを考えていた。 2年前、立花隆氏に同行して、京都大学に本庶佑氏を訪ねた。月刊「文藝春秋」に掲載する、立花氏と本庶氏の対談をまとめるためである。 このとき本庶氏は、 「大村(智)先生(2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞)とはゴルフ仲間でね。今年(2016年)の正月も一緒に行ったんだけれども、筋力が落ちて全然ダメだとこぼしていらっしゃいましたよ。聞けば、去年のノーベル賞騒ぎで全然ゴルフができなかったらしい」 と語っていた。めぐりめぐって今度は本庶氏がノーベル賞騒ぎに巻きこまれつつあるわけである。 これ以上の幸せはない 昨日の会見で本庶氏は、記者からノーベル賞の受賞は待ちに待ったものなのかと問われ、それを否定した上で、次のように答えている。 「僕はゴルフが好きなので、ゴルフ場にしょっちゅう行