ホンダが創業時からの「夢」とする航空機事業。その夢を受け継ぎ、「HondaJet」として叶えたのが、米Honda Aircraft社 社長兼CEOを務める藤野道格氏、その人だ。計画では、2012年中に量産を始め、2013年後半に供給を開始する。そんな同機の開発は、常識との闘いの連続だった。藤野氏が手掛けてきた技術開発の真髄に、日経ものづくりが迫ったインタビューを2回に渡って紹介する。(聞き手は日経ものづくり編集長 荻原博之) 「HondaJet」は、小さい都市間を直接結ぶ交通システムというコンセプトの下で開発しました。ビジネスマンが出張などで日常的に使うことを想定し、低料金で利用できることと、乗客スペースを広げることを大きな目標として掲げたんです。 ふじの・みちまさ 1960年生まれ。1984年東京大学工学部航空学科卒、同年本田技術研究所入社。1986年から飛行機開発に携わり、1997年プ