マスクやファン付き作業着の着用と熱中症をもたらす体温上昇との間にどのような関係が認められるのか。そして、その結果からはどのような分析が得られるのか――。実験計画に助言した早稲田大学人間科学学術院体温・体液研究室の永島計教授の考察を交えながら解説する。 本特集の初回の記事で述べた通り、国はマスクの着用が熱中症のリスクを高めると通知。それに沿う格好で自治体なども「マスク熱中症」などとマスクと熱中症を結び付け、夏場の作業ではマスクを外すよう呼びかけている。 ところが、今回の実験ではマスクを装着した場合に体温が上がりやすくなるという明確な関係は見いだせなかった。そこで、マスクのリスクを周知するよう訴えている国に、その理由を尋ねてみた。