本項では、クリエイティブ・クラスやその中核となる人々の価値観と深く関わる社会予測として「限界費用ゼロ社会」、そして「協働型コモンズ」について述べる。 資本主義と生産技術の発達の先にあるものについて、ジェレミー・リフキン(2014)は、資本主義の原理に基づいて生産性を極限まで最適化すると、モノを生産するためにかかるコスト(限界費用)が限りなくゼロ(無料)に近づくはずであり、そうした社会が実現すると資本の動きが発生しなくなるため、資本主義が成立しなくなってしまうという矛盾を指摘した。それにともなって資本主義は縮小し、資本主義市場でも政府でもない、シェアの意識に基いて共同する自主管理活動の場「協働型コモンズ」が台頭しつつあるとしている。そして現代において、豊かさの指標は稀少性=交換価値から「シェア可能価値」に移り変わりつつあり、社会関係資本が経済資本よりもはるかに重要な役割を果たすようになるだろ