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ブックマーク / newsweekjapan.jp (3)

  • よみがえる「官僚たちの夏」?

    経済産業省の産業構造ビジョンについての報告書が話題になっている。官僚たちの「日経済の行き詰まり」についての分析が、意外に(?)的確だからである。ところが、その行き詰まりを打開する政策となると、その分析とは無関係な「ターゲティングポリシー」がいきなり出てくる。これは経産省としてはしょうがないのだろうが、今の若手の官僚には、かつてのターゲティング政策の失敗が継承されていないのではないか。 1960年代には、城山三郎の小説『官僚たちの夏』に描かれるように、通産省は「日株式会社」のエンジンだと思われていた。70年代に通産省の行なった「超LSI技術研究組合」が成功を収め、日の半導体産業は世界のトップに躍り出た。これによって特定の「戦略産業」を補助金で育成するターゲティング政策(産業政策)が世界から注目され、通産省は続いて「第5世代コンピュータ」や「シグマ計画」などの「大型プロジェクト」を実施し

    よみがえる「官僚たちの夏」?
  • 「国債バブル」はいつ崩壊するか

    財務省が8月10日に発表した政府債務(国債や政府短期証券などの合計)は、6月末で約860兆円にのぼり、過去最高を更新した。これはGDP比で1.7倍と、OECD諸国で最大である。中南米やロシアでここまで政府債務が増えたら、国債が市場で消化できなくなって、長期金利が10%以上になるだろう。 しかしこのような危機的状況になっても、日の長期金利(10年物国債)は1.4%前後と低い。一つの原因は政策金利がほぼゼロになっていることだが、根的な原因は日経済が低迷して他に有利な投資対象がないことだ。国際的に比較しても、この金利は異常に低い。たとえば米国債(10年物)の金利は約3.5%である。金利が低すぎるということは国債の価格が高すぎるということだから、この現象は「国債バブル」と呼ばれてきた。 このバブルは予想に反して崩壊することなく、10年以上にわたって続いてきた。その原因は「まさか日政府が債務

    「国債バブル」はいつ崩壊するか
  • 日本の財政は世界最大のネズミ講

    「1人殺すのは犯罪者だが、100万人殺せば英雄になる」といったのはチャプリンだが、ネズミ講も数億円だと犯罪になるが、1000兆円になると国民に堂々と発表できるようだ。先週、政府の経済財政諮問会議に出された「骨太の方針」の素案では、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2011年に黒字化する方針を放棄し、2020年ごろに黒字化するには消費税を12%に引き上げる必要があるという試算を公表した。これはバラマキ補正予算で発行する巨額の国債を、子孫の税金で償還しようというネズミ講だ。 しかし日の財政赤字は主要国で最悪であり、とてもこの程度の増税ではすまない。政府債務のGDP比は2.17倍で、2014年には2.34倍にふくらむというのがIMF(国際通貨基金)の予測だ。基礎的収支を黒字化することは政治的に不可能だが、せめて赤字を半分にするためにも、GDP比14.3%も増税しなければならないという。こ

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