「世界史の中の沖縄」を考える ――「死の共同体」からいかに引き返すか、どう逃げるか 対談:新城郁夫(沖縄/日本文学) × 丸川哲史(東アジア文化論) ■「特殊性」や「異質性」で沖縄を語らない 丸川 今回の新城さんの本には、時事的なものも含め、沖縄をどう考えればいいのかという問題提起がつまっています。そして、タイトルに入っている「回路」と「傷」という言葉がキーポイントですね。またもう一つ、「あとがき」に「遍在」という言葉が出てきます。沖縄で起きた出来事、あるいは沖縄において考えられることに閉じないで、遍在するものとして考えたいと。別言すれば、「世界史の中の沖縄」を考えることが新城さんの大きなモチーフになっていると思います。沖縄をどう語るか、沖縄の声をどう聴くかという新城さんが常々問題にされてきたテーマに加えて、さらに「世界史の中の沖縄」を言わなければならない必然性があるのでしょう。これまでの