拡張命令から見るx86 CPUの第2回を始めよう。まずインテルは、1999年2月にリリースした「Pentium III」で、「KNI」(Katmai New Instruction)こと「SSE」(Streaming SIMD Extension)を導入した。名称冒頭の「Streaming」は単なるマーケティング的な用語であり、少なくともこの時点でのSSEには、ストリーミング的なデータを扱う機能は一切なかった。 それはともかく、このSSEはインテルのある種明確な意思を感じる。それは「SSEはMMXを置き換えるもの」という事だ。これはAMDの「3DNow!」と比較すると明確である。3DNow!とは、MMXに浮動小数点演算機能を付加するための、いわばMMXの拡張という扱いだ。整数演算はMMX任せということで一切サポートしておらず、またレジスターもMMX同様に、浮動小数点演算(FP)レジスターの