余生をのんびりと過ごしていた「安平」=2009年6月29日、宮崎県高鍋町の県家畜改良事業団、阿部彰芳撮影 「宮崎牛」ブランドを支える種牛を一括して管理する宮崎県家畜改良事業団(同県高鍋町)で、家畜の伝染病、口蹄疫(こうていえき)の疑いのある肥育牛が見つかったため、同事業団で飼われていて殺処分されることになった種牛49頭の中に、全国の畜産関係者の間で「伝説の種牛」と呼ばれている「安平(やすひら)」も含まれていた。人間にすると約100歳にあたる21歳。種牛としては引退し、同事業団で余生を送っている。安平の精液から人工授精で生み出された子牛は約20万頭にのぼり、精液は今も冷凍保管されている。 安平の両親はともに兵庫県の但馬牛の血を引く、「スーパー種牛」と名をはせた「安福」(宮崎県産)と、「スーパー母牛」と言われた「きよふく」(岐阜県産)で、宮崎県内で人工授精され、同県佐土原町(現・宮崎市)で