奈良公園(奈良市)そばを走る国道369号に5日未明、夜間照明に照らされ、光り輝く白い鹿のマークが浮かび上がった。 国の天然記念物に指定される「奈良のシカ」は、公園に約1100頭が生息するが、公園が国道などで分断されているため、夜間に道に飛び出した鹿がはねられる事故が後を絶たない。昨年も100頭が交通事故で死んだ。 そこで奈良県はドライバーに注意をうながそうと、事故が多い県庁前などの地点を「鹿ゾーン」に指定。正倉院宝物にも使われる蘇芳(すおう)色(黒みを帯びた赤)を下地に、車のライトで光りやすいビーズを入れた白い塗料を使って、鹿のマークや「注意」と記した道路標示を25カ所につくる。(渡義人)