“てぃ”か、“ち”か……、それが問題だ 「なんで“てぃ”じゃなくて“ち”なの?」 聞かれて思わず答えに詰まった。考えたこともなかったからである。た、ち、つ、て、と。それがた行。日本語の決まり。なのに、マンガの原本読みたさに日本語を習得しようと燃えていた近所の高校生アロンソ君(たしか、そんな名前だった)は言うのだ。 「“た”がTAなんだから、当然“ち”はTIじゃなきゃおかしいでしょ? それがどうしてCHIなの? Tに母音がつく行のはずなのに、Cになっちゃってるじゃない! なんでこんなにイレギュラーなの?」 “porque……es japones”──だって、それが日本語だから。そう答えるしかなかった、20年前のバルセロナだった。 「なんで“ち”じゃなくて“てぃ”なの?」 20年後の日本で、あの時とまったく正反対のことをヨメが言っている。言われているのは虎蔵(仮)である。1歳10カ月あたりの時
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