世界はいまや大きな転換点に近づきつつある。今後5年以内に世界の所得に占める中国、ロシア、サウジアラビアなど「自由ではない」と分類される諸国の割合は、欧米のリベラルな民主国家のそれを上回るようになるだろう。逆に言えば、四半世紀の間に、リベラルな民主国家は先例のない経済的強さから、同様に先例のない弱体化の道を歩みつつある。伝統的にリベラルな民主主義の中枢を担ってきた北米と西ヨーロッパ諸国では政治システムが危機にさらされ、世界経済に占めるウェイトも低下しており、かつての優位を取り戻せる見込みはますます遠のいている。(モンク、フォア) 確かに、複数政党制による選挙を導入することはなく、人権の保障を制度化することも、言論の自由を認めることもなかった。それでも、中国共産党は水面下の改革を実行し、一党支配を放棄することなく、巨大な官僚組織を改革し、民主化の特質の多く、特に説明責任、競争原理、権力の一部抑