まず気になったのは、初見時にアルツハイマーの印象を全く受けなかったこと。 その患者さんは、DLBやCBDの方が呈するどことなく暗い表情で入室された。 変性性認知症疾患の場合、これまでブログで取り上げてきたピック感やレビー感など、初見で「お?」と思わせる要素を持つ方がいる。その何とも言えない感覚も、認知症診療においては重要な要素である。 ちなみに、アルツハイマーの方に多く認められる特徴は、「明るく朗らかで取り繕いが目立つ」という点である。 www.ninchi-shou.com 60代女性 皮質基底核変性症疑い 初診時 (既往歴) 高血圧 現在は内服なし (現病歴) 8ヶ月前までは仕事をしていた。 県外の娘さんの出産のお手伝いにいったが、その後様子がおかしくなってきた。当地の神経内科を受診し、脳血流検査で左前頭葉血流低下を指摘された。 「FTLD(前頭側頭葉変性症)の可能性はあるが、まずはA