昭和初期に発行された大阪の郷土研究誌「上方」の発行人で、町人学者として活躍した郷土史家、南木(なんき)芳太郎(1882〜1945年)の日記が発見され、大阪市史料調査会から発行された。同会は「『上方』は、江戸時代や戦前の大阪を知る貴重な資料。日記を通じ、郷土史研究に大きな足跡を残した人物を身近に感じてもらえれば」としている。 南木は大阪・ミナミ生まれ。道修町の薬問屋に勤めながら、歌舞伎や落語などの芸能関係を中心に、大阪について幅広い分野の資料を集めた。これらは「南木コレクション」として知られ、戦災を免れた一部は大阪城に保管されている。 南木は、大正末期から昭和初期の大阪で御堂筋が拡張されたり、地下鉄が建設されるなど近代化が進んだ一方、伝統や文化が失われていくことを憂い、昭和6年、郷土研究誌「上方」を創刊した。 今回、「南木芳太郎日記−大阪郷土研究の先覚者(パイオニア)−」と題して発行される日