(英エコノミスト誌 2011年1月29日号) 郊外のサンベルト(米国南部の温暖地帯)が悲惨な貧困の場と化している。 統計データは、デトロイトかニューアークに相応しいような内容だ。 地元の学校に通う生徒の半数近くは、無料もしくは割引ランチの受給資格を持つほど貧しい家庭の子供たちだ。総世帯の10分の1はフードスタンプを受け取る資格がある。 住民の8人に1人はスープキッチンやフードバンクから無料で食事の提供を受けている。恐らく12人に1人は最近、ホームレス状態を経験している。 しかし、問題の場所は斜陽化したラストベルト(中西部と北東部の重工業地帯)ではない。メキシコ湾沿岸の椰子の木が立ち並ぶ快適なリゾート地、フロリダ州サラソタなのである。 2つの郡にまたがってコンドミニアムやマリーナ、老人ホームが集積する大都市圏サラソタ・ブラデントンでは、2007年から2009年にかけて貧困ラインを下回る生活を