水野:日本の労働時間はとくにひどいものがあります。現在、日本人は正規社員で年間2100時間、非正規社員も含めてデータでは年間1700時間働いているんですね。一方、日本とほとんど生活水準が変わらないドイツは非正規社員を含めたデータで1300時間です。 私自身の経験も含めて感覚的にいうと、日本の労働の3割はまさにブルシット・ジョブのような仕事をしています。だからあと500時間ぐらいは減らせると思います。そうすると、オフィスのエネルギー使用量も4分の1ぐらいは減らせるんじゃないでしょうか。 斎藤:いまの生産力があれば、週4日制ぐらいにはすぐ移行できると思うんですよね。 水野:簡単にできますよね。 ケインズの予言 斎藤:マルクスも自由の国を実現するための最初の条件は、労働時間の削減だと言いました。多くの人々にとって、労働は自己実現や社会的承認の場でもありました。労働は人生を充実させてくれるものだと