大学を卒業して彼是〇十年。我々同級生三人は、相も変わらず時折顔を合わせては酒を酌み交わす。 かってそれは、別段特別な事では無かった。互いの家を行き来し、一緒に旅行へ出掛け、ふと思いついた時、電話一本で集合する。 やがて夫々が家庭を持ち、本人や家族が難しい病に罹患したり、年老いた両親の介護に追われた時期もあった。 それでも今、こうして会う事が出来るのは、殆ど奇跡と言っても過言ではなく、かけがえのない幸せだと言える。 我々はもう決して若くはない。いつ何時、重篤な疾病、寝たきり状態、痴呆症など、起こり得るリスクは数え切れない。 言葉にこそしないものの、我々にとってそれは暗黙の了解であり、故に「会える時には可能な限り会う」という事を大切に考えているのだ。 「今を尊ばなければ一体いつという時があるのか」。何時、何処で誰が、そう語ったのかは思い出せない。しかし何故か忘れられない言葉となった。 勿論、常
![新年会するするぅ - 風のかたみの日記](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0e371c1943791e5a3d0409a30b46abc627e99240/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fk%2Fkaze_no_katami%2F20200129%2F20200129110545.jpg)