前回の記事では、重回帰分析の基本的な仕組みを説明しました。しかし、概念的に全体像を把握していても、実際に進めてみると様々な原因で良い分析結果が出ない場面に遭遇します。今回は、そのときに起こりがちな失敗を10個のパターンとして捉え、直感的に「何が起きているのか」を把握し、より早く正しく「どう対処すればよいのか」を判断できるような説明をします。 「組み合わせ」の問題 1)要素が少なすぎる 代表的な失敗パターンは、モデルに取り入れている要素の数が少なすぎることです。これは言い換えると、本来は成果を説明するために必要な要素が十分に組み込まれていない、ということを意味します。この場合は、どのような要素が取り込まれていないのかを改めて考える必要があります。ただし、取り入れるべき要素が実は「データ」として表現することが難しい(もしくは不可能)ということもあり、必ずしも分析によって全てを明らかにできるとは