アニメの未来(上)宮崎駿監督に聞く――今につながるロマンを この夏の劇場公開アニメーション監督、宮崎駿と押井守への日経のインタビュー抄録。今回は宮崎監督。 ■「子供の励みになる映画」が目標。新作「崖(がけ)の上のポニョ」もさかなの子ポニョと五歳の宗介の友情や思いやりの大切さをストレートに描く。 肝心なこと、大事なものは直感でわかる。そんな子供が見て分かる映画にしたつもり。 子供が見るのに値するものを作るのは相当に大変なこと。ただ刺激を与えればいいわけではないから。最初は男と女の皮肉な物語になるんじゃないかなどと話していても、いつの間にか終わりに向かってみんな善人になる。 ■圧巻は豊かな海の表現。CGを使わず、手描きにこだわった。作画数はこれまでで最も多い十七万枚にのぼる。 波を魚で描いてしまおうと決めたとたんに、楽になった。五歳の子供にとっては波が生き物に見えるかもしれない。 鉛筆