自分がいる場所は、“ここ”ではないんじゃないか──。 都会に暮らしながらも、“ここではないどこか”、地方への移住が頭を過ぎることがあります。地方であれば、今ある違和感がなくなり、今はない充足感が得られるんじゃないか。 漠然と期待を膨らませる一方で、不安も拭えません。自分がこれまで培ってきたスキルを活かせる仕事があるのだろうか。キャリアダウンしてしまうのではないか、と。 「地方移住で得たものの代わりに、『あきらめたもの』はありますか?」 都会から地方へ移住した人にそんな問いを投げてみました。答えてくれたのは、島根県隠岐諸島の1つ、海士町の株式会社風と土と 阿部裕志さんと長島威年さん。 阿部さんは13年前の2008年に海士町で起業。長島さんは半年前の2020年夏に移住しました。お2人に、移住を決断した理由から伺っていきます。