古い芸術作品をよみがえらせる修復家を数多く養成し、国内の油画修復研究をリードしてきた東京芸術大大学院文化財保存学専攻の研究室で、トップを務める50代の女性教授からアカデミックハラスメントを受けたと複数の学生や職員が訴え、大学側が研究室の学生募集を停止したことが9日、大学関係者への取材で分かった。職員も相次いで離職しており、国内でも数少ない修復家の養成機能の維持が危ぶまれている。 女性教授は産経新聞の取材に、ハラスメント行為を否定しながらも「非常にまずい状態であることは自覚している。心配をかけて申し訳ない」などと釈明。大学側は募集停止に至った理由を明らかにしていない。 複数の大学関係者によると、教授がトップに就いた平成31年4月以降、複数の学生や教員が暴言を浴び、大声で叱責を受けるなどの被害が続出。深夜に1時間以上も交流サイト(SNS)上で叱責された学生は、疲労で返信を5分ほど放置していると