■画面上に表示される物語に沿って読み進めていくタイプのノベルゲーム。音楽やグラフィックによって物語を盛り上げている。基本的にはクリックのみで操作することができる。途中に選択肢もあり、物語の中に感情移入しやすいだろう。 ■正直、この作品のレビューを書くことは非常に難しい。「素晴らしい作品を一々批評するのは無駄である」と語る批評家の気持ちがよく分かる。自分にとってのそういう作品が、この「ひとかた」なのだ。 ■このゲームは、一見どこにでもありそうな田舎町の、打追町で話が展開していく。ある日突然町に越してくることになった主人公の南護。彼に与えられた使命――それはこの町に巣食っている妖怪「牛鬼」を討つことだった。彼が牛鬼の実態を追い、調査を進めるにつれて、打追の町はその歪んだ正体を見せ始める。 ■話の核となるのは主人公ではなく、牛鬼そのものだ。牛鬼に殺された人々、それによって歪んでしまった人々。その