元プロ野球選手で、現野球解説者の達川光男氏は、捕手として広島東洋カープを長年にわたり支えてきた功労者の一人だ。広島商業高校、東洋大学という野球名門校でのキャリアを歩み、1977年にドラフト4位でカープに入団した。その後、1992年に現役を引退するまでに、個人タイトルではベストナインを3回、ゴールデングラブ賞を3回受賞し、5度のリーグ優勝、3度の日本一を経験した。 達川氏というと、“珍プレー”などひょうきんな面にばかり目が行きがちだが、北別府学、大野豊、津田恒美、川口和久など「投手王国」と呼ばれた広島の投手陣を下支えした捕手として、緻密なリードと、それに裏付けられるデータ戦術は高く評価されている。 昨今、野球の統計理論「セイバーメトリクス」を取り入れてチーム強化を図った、メジャーリーグのオークランド・アスレチックスでの実例を書いた小説「マネーボール」が話題を集めたように、野球におけるデータ活