インターネットに残った亡き息子の痕跡を収集し、ひとつのサイトにまとめ上げた遺族の例もある。21歳で亡くなった男性の両親が歩んだグリーフワークの道程を追う。 ◇ 2009年に21歳で急逝した伊藤康祐さんは、日ごろから国際弁護士を目指して法律と英語の勉強に励んでおり、その考察をブログにつづっていた。父親の俊彦さんがそのブログの存在を知ったのは康祐さんが亡くなった直後。すぐに頭をよぎったのは「更新が途絶えたままだと、やがて削除されてしまうのではないか」という不安だ。ネットにはあまり詳しくなかったが、母親の順子さんとともに、できることは何でもやった。ITに詳しい知人の協力を仰いで存続の道筋を探りつつ、ブログの文章をパソコンに保存し、15冊に及ぶ紙のバックアップも作った。そうして2カ月たったころ、康祐さんのネットの痕跡をまとめた追悼サイト「Kousukeのページ」(http://www.ksl.co