今年5月に起きた、京都に本社を置く情報処理会社であるイセトーのランサムウェア攻撃被害は国内において大きな影響を及ぼしました。イセトーは銀行や保険会社、そして自治体や官公庁を中心に情報処理、特に情報管理、それに基づく印刷及び発送を請け負う会社です。顧客として3,000以上の事業社があるとされ、通知書等の印刷発送業務では最大手とされています。今回のサイバー攻撃被害では、自治体、銀行を中心に150万件以上の個人情報が漏えいしたとされており、その件数は今も増えようとしています。イセトーの事件は何が問題、そしてなぜ影響が深刻なのでしょうか。決して150万件という件数ではなく、先月には東京ガス関連会社が400万件以上の個人情報漏洩が確認されています。また規模の大きい個人情報漏えいも珍しくなく、1,000件以上の個人情報漏洩を起こした組織は今年だけでも50件を超えています。 1.サイバー攻撃被害とその拡