「米国が利上げに踏み切れば、日米間の金利差が広がるので、マネーはドルに向かう。米国の利上げ期待が続く限り、ドル円相場は1ドル=120円をはさんで上下数円の幅で動いていく」(大手証券為替アナリスト) これがよく語られる、ドル円相場の2016年の市場予測だ。が、マーケットの最前線ではいま、まったく別の予測が急浮上している。 米国が利上げをしても、円安にはならない。'16年は円高転換のアニバーサリー(記念年)になる、というのがそれ。経済アナリストの中原圭介氏が指摘する。 「利上げが円安を誘引すると考える人は多いが、実は間違い。むしろ、過剰に進んだ円安を修正し、為替トレンドを円高反転させる引き金となる可能性が高い。 振り返れば、米国が'12年9月にQE3と呼ばれる量的緩和第3弾を開始した直後に円高は終わり、円安へ突入していった。今度はこれと逆。利上げが開始される時が円高の始まりとなる。