小倉藩(北九州市など)の藩主だった細川忠利(ただとし)が江戸時代初期、ワインとみられるぶどう酒造りを家臣に命じた古文書が熊本大の永青(えいせい)文庫研究センター(熊本市)で見つかった。日本のワイン造りは明治初期に本格化したとされ、江戸初期の関連記録が確認されるのはまれ。小倉藩のぶどう酒が国産ワインの最古の記録との夢も膨らみ、10月に「ワイン特区」となった北九州などで話題になりそうだ。 「ぶだう酒を作り申す時分にて候間(そうろうあいだ)、上田太郎右衛門に便宜次第申遣作(つかわせつくら)せ可申旨(もうすべきむね)、御意之由(ぎょいのよし)」(ぶどう酒を造る季節になったので、上田太郎右衛門に造らせよという殿の命令を--)