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2020年10月31日のブックマーク (11件)

  • 今週の本棚:張競・評 『愚行の賦』=四方田犬彦・著 | 毎日新聞

    (講談社・2970円) 無我にたどりつく迷宮めぐり 愚かな行為は政治の世界から日常生活まで、いたるところで目にすることができる。にもかかわらず、これまで正面から論じられたことはほとんどない。それだけ語るのが難しいだろうが、この難題に挑戦するはついに現れた。 検討の対象として、文学作品がおもに取り上げられたのは、フィクションの世界において愚かさはもっとも透明感のある形象として描き出されているからだ。 前半で論じられたのは、十九世紀のヨーロッパ文学や哲学において、愚行なるものがどのように思考され、あるいは表象されてきたかである。興味深いことに、愚行の表象を読み解いていくと、従来とまったく違った作家像が浮かび上がってきた。ボードレールの場合、比類なき修辞や寓意(ぐうい)によって表現されたのは近代人の絶望的な孤独だけではない。彼は俗衆の無知と愚昧を憎悪しながら、人間の生の根底に横たわっている愚行

    今週の本棚:張競・評 『愚行の賦』=四方田犬彦・著 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”愚かな行為は政治の世界から日常生活まで、いたるところで目にすることができる。にもかかわらず、これまで正面から論じられたことはほとんどない”
  • 今週の本棚:鼎談 奈良の秋 評者・小島ゆかり、池澤夏樹、上野誠 | 毎日新聞

    ◆奈良の秋 鼎談(ていだん) ■評者 小島ゆかり(歌人)、池澤夏樹(作家)、上野誠(奈良大教授・万葉文化論) ■推薦・小島氏 ◆会津八一 コレクション日歌人選 村尾誠一・著(笠間書院・1430円) 規範をはみ出す力 小島 今のように旅行に出かけづらくなると、どうしても季節の情感を忘れがちだ。マスクをしていると空気や木の匂い、潤いを感じる機会が減ってしまう。寂しく思っていた時に「奈良の秋」というテーマを聞き、一番に会津八一(やいち)を思い出した。 多くの歌人がうたっているが、やっぱり奈良の秋といえば八一だ。彼の作品群の中でも奈良の歌が突出して素晴らしい。歌に関するは散文など他のジャンルと比べ、作品が並んでいるだけでは一般の人には良さが分かりにくい。一方、専門書では背景が複雑すぎて入りにくい。この「コレクション日歌人選」は50首の歌を選んで一首一首の鑑賞があり、意味も程よく書かれていて、

    今週の本棚:鼎談 奈良の秋 評者・小島ゆかり、池澤夏樹、上野誠 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”多くの歌人がうたっているが、やっぱり奈良の秋といえば八一だ。彼の作品群の中でも奈良の歌が突出して素晴らしい。歌に関する本は散文など他のジャンルと比べ、作品が並んでいるだけでは良さが分かりにくい”
  • 今週の本棚:若島正・評 『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』=乗代雄介・著 | 毎日新聞

    (国書刊行会・3630円) 世界をつかまえるために繰り返す 中学生のときにパソコンを手にした人間が、ブログを開設してそこで書き続けた。十五年以上経(た)ったいま、「ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ」というタイトルのそのブログに残された文章は膨大なものになり、書き手の乗代(のりしろ)雄介は作家としてデビューし、三作目に当たる「最高の任務」は芥川賞の候補作になった。書は、そのブログから選ばれた掌編六十七編に、長編エッセイと書き下ろしの小説「虫麻呂雑記」を加えて一冊にした、厚い書物である。 乗代雄介は読んだからの引き写しをキャンパスノートに書きためていて、そのノートが六冊目になるという。そして、そのノートをときどき見返すたびに、ふと目に留まった文章が大きな助けになるという。だから、彼が書くものには、そのノートからふたたび書き写された文章が頻繁に出てくる。しかし、それを衒学(げんがく)趣味

    今週の本棚:若島正・評 『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』=乗代雄介・著 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”乗代雄介は読んだ本からの引き写しをキャンパスノートに書きためていて、そのノートが六冊目になるという。そして、そのノートをときどき見返すたびに、ふと目に留まった文章が大きな助けになるという”
  • 今週の本棚:中島岳志・評 『大仏師運慶 工房と発願主そして「写実」とは』=塩澤寛樹・著 | 毎日新聞

    (講談社選書メチエ・1925円) 生身に求めた悟りの世界 鎌倉時代の代表的な仏師といえば、何と言っても運慶だろう。高野山・金剛峯寺の八大童子像や奈良・興福寺北円堂の無著(むじゃく)・世親(せしん)像は、広く人口に膾炙(かいしゃ)している。2017年に東京国立博物館で開催された特別展「運慶」は、来場者60万人を超える大盛況で幕を閉じた。 運慶の仏像を表現する際に、決まって使われてきたのが「写実的」という言葉である。その力強さ、迫真性、実在感は、日彫刻史の最高峰と目され、繰り返し「天才」と称されてきた。

    今週の本棚:中島岳志・評 『大仏師運慶 工房と発願主そして「写実」とは』=塩澤寛樹・著 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”近年、研究者の奥健夫は「生身(しょうじん)」という概念に注目し、新しい解釈を提示している。生身の仏とは「現世に姿を現した仏」のことで、鎌倉時代に信仰が高揚した”
  • クローズアップ:進まぬ温暖化適応策 経済・健康、影響顕在化 自治体調査 | 毎日新聞

    地球温暖化の影響が私たちの足元で拡大している。温暖化による被害の軽減策推進のための「気候変動適応法」施行からまもなく2年。影響はどれほど深刻なのか。対策は進んでいるのか。毎日新聞が47都道府県、20政令市を対象に実施したアンケートの結果などから地域の現状に迫った。【渡辺諒】 温暖化で日卓が変わろうとしている。宮城県では海水温の上昇に伴い、サンマやシロサケなど冷水性の魚の漁獲量が減少している。農林水産省の統計によると、同県のサンマの漁獲量は2014年は約3万トンだったが、19年は6000トン。同県は冷たい水を好むホタテガイ養殖の南限にあたり、貝が死滅する被害も起こっているという。 アンケートは9月に書面で実施。15~19年度の5年間に把握した温暖化の影響や、被害回避・軽減のための対策の現状などについて尋ね、全ての都道府県・政令市から回答があった。

    クローズアップ:進まぬ温暖化適応策 経済・健康、影響顕在化 自治体調査 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”影響はどれほど深刻なのか。対策は進んでいるのか。毎日新聞が47都道府県、20政令市を対象に実施したアンケートの結果などから地域の現状に迫った”
  • 日韓、互いに譲歩なく 元徴用工判決から2年 | 毎日新聞

    企業に元徴用工への賠償を命じた韓国最高裁判決が出て30日で丸2年となった。日韓関係は、韓国軍艦による自衛隊機へのレーダー照射問題、日による半導体材料の対韓輸出規制などを経て国交正常化以降で最悪の時期に入り、事態打開の兆しはない。 菅義偉首相は29日の衆院会議で「非常に厳しい状況にある関係をこのまま放置してはならない。健全な日韓関係に戻すべく、我が国の一貫した立場に基づいて適切な対応を強く求めていく」と述べた。元徴用工問題を念頭に韓国側に先に譲歩するよう求めた。一方、韓国では訴訟の原告支援団体が30日、ソウル市の日大使館前で記者会見を開き、「判決通り賠償を履行せよ」と訴えた。 韓国最高裁が日製鉄(旧新日鉄住金)に賠償を命じて以来、日は1965年の日韓請求権協定で問題が「完全かつ最終的に解決」されているとして、「判決は国際法違反だ」と強く反発してきた。

    日韓、互いに譲歩なく 元徴用工判決から2年 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”日韓関係は、韓国軍艦による自衛隊機へのレーダー照射問題、日本による半導体材料の対韓輸出規制などを経て国交正常化以降で最悪の時期に入り、事態打開の兆しはない”
  • 今週の本棚・著者:桐野夏生さん 『日没』 | 毎日新聞

    ◆桐野夏生(きりの・なつお)さん (岩波書店・1980円) 想像する自由を奪われない 2011年3月の東日大震災以降、原発事故や政治的な動きを禁忌のように扱う風潮に違和感を覚えていたという。「感じたことを書くのが作家の使命なのに、それを覆い隠して何事もなかったように書けるなら、その方が不思議。いつの間にか、禁忌に法的根拠ができていて、抵触した作家が収容される物語はどうだろうと考えた」。作家たちから「表現の自由」が奪われた近未来を描き、読み手に恐怖の爪痕を残す。 女性作家のマッツ夢井は総務省の「文化文芸倫理向上委員会」から召喚状を受け取る。指定された駅に着くと、車で携帯電話の通じない崖の上の“療養所”に連れられる。所長の多田は「社会に適応した作品」を書くよう求め、これまでの作品でレイプや暴力を描写してきたマッツを非難。「B98」と番号で呼ばれるマッツの監禁生活が始まる。

    今週の本棚・著者:桐野夏生さん 『日没』 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”女性作家のマッツ夢井は総務省の「文化文芸倫理向上委員会」から召喚状を受け取る。指定された駅に着くと、車で携帯電話の通じない崖の上の“療養所”に連れられる”
  • iPS細胞からβ細胞のもと 膵臓でインスリン分泌の役割 大量作製成功、糖尿病の根治へ一歩 | 毎日新聞

    血糖値を下げるホルモン「インスリン」を出す膵臓(すいぞう)のβ細胞のもとになる細胞を、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から大量に作り出すことに成功したと、京都大などの研究チームが30日、米科学誌セル・ケミカル・バイオロジー電子版で発表した。糖尿病はβ細胞が減少したり、働きが弱まったりすることで発症するため、iPS細胞からβ細胞を作り出せれば根的な治療が可能になると期待される。 糖尿病のうち、1型は主に自分の免疫がβ細胞を破壊することによってインスリンが分泌されなくなり、血糖値が下がらなくなる。2型は生活習慣などが高血糖の原因になる。治療はインスリン注射のほか、1型では膵臓やβ細胞を含む組織「膵島」を移植し、β細胞を補充する方法があるが、国内で移植を受けられる機会は非常に少ない。

    iPS細胞からβ細胞のもと 膵臓でインスリン分泌の役割 大量作製成功、糖尿病の根治へ一歩 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”糖尿病はβ細胞が減少したり、働きが弱まったりすることで発症するため、iPS細胞からβ細胞を作り出せれば根本的な治療が可能になると期待される”
  • 神奈川・逗子の女子高生死亡 斜面崩落、前日に亀裂 管理人撮影、行政に伝わらず | 毎日新聞

    事故前日にマンション管理人が見つけ、撮影した亀裂。県によると、亀裂付近から斜面が崩落した=神奈川県への情報公開請求で入手 神奈川県逗子市で2月、分譲マンション敷地内の斜面が崩落し、市道を歩いていた県立高校3年の女子生徒(当時18歳)が土砂に巻き込まれ死亡した事故の前日、マンション管理人が斜面上部で長さ約4メートルの亀裂を見つけて写真撮影し、同日中に管理会社に連絡していたことが判明した。しかし、亀裂の存在は行政側に伝わらず、安全対策が取られることはなかった。 毎日新聞は県への情報公開請求で亀裂の写真や、管理会社が県の担当者らと電話でやり取りした際のメモを入手。事故前日の詳細が明らかになった。県の担当者は取材に「亀裂の情報を知らされていれば、現地に調査に行ったり、市道を通行規制するなど市側に何らかの対応を求めたりして、生徒の死を防ぐことができたかもしれない」と話す。

    神奈川・逗子の女子高生死亡 斜面崩落、前日に亀裂 管理人撮影、行政に伝わらず | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”毎日新聞は県への情報公開請求で亀裂の写真や、管理会社が県の担当者らと電話でやり取りした際のメモを入手。事故前日の詳細が明らかになった”
  • 首相「差し控える」連発 初の代表質問、議論かみ合わず ヤジに自ら「静かに」 | 毎日新聞

    菅義偉首相が初の国会論戦に臨んだ各党の代表質問は30日、衆参両院で計3日間の日程を終えた。野党は日学術会議の任命拒否問題を繰り返し追及したが、首相は「お答えを差し控える」と連発。「鉄壁」を見せつけたが、原稿の言い間違いやヤジに不慣れな側面も見え隠れした。丁々発止のやり取りの衆参の予算委員会での答弁を不安視する声も与党内に出始めた。 「個々人の任命理由は人事に関することで、お答えを差し控える」。首相は任命拒否の理由を問われるたびにこう繰り返した。一方で会員任命で重視した点についての説明は、多少増えた。…

    首相「差し控える」連発 初の代表質問、議論かみ合わず ヤジに自ら「静かに」 | 毎日新聞
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    taketake89 2020/10/31
    ”「鉄壁」を見せつけたが、原稿の言い間違いやヤジに不慣れな側面も見え隠れした。丁々発止のやり取りの衆参の予算委員会での答弁を不安視する声も与党内に出始めた”
  • 22歳孫の祖母介護殺人「これはあなた自身の問題」 江川紹子さんの読み解き方 - 毎日新聞

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    taketake89 2020/10/31
    ”女性は許されざる罪を犯した。しかし、親族たちの協力を得られず、孤立無援で極限状態に追い込まれていた。ジャーナリストの江川紹子さんに事件の意味と、報道の役割を聞いた”