自動車を運転中に事故に遭った際、女性は男性より1・45倍けがをしやすい。警察庁の持つ過去10年分の事故データを毎日新聞が分析したところ、性別による負傷リスクの差が浮かび上がった。こうした知見は近年海外で注目されており、国内でも同様の実態が裏付けられた。 女性のほうがけがをしやすい理由は分かっていない。ただ、車の安全性能に関する基準は、運転手として男性の体形を想定している。研究開発を含めた自動車製造の世界で、性差が長く見過ごされてきた可能性がある。 分析には2013~22年に起きた交通事故をまとめた警察庁の統計を用いた。毎日新聞は、2台の普通乗用車による事故で、正面衝突や出合い頭の衝突など前面をぶつけた、シートベルト着用の運転手に絞って調べた。条件の選定や分析には、自動車事故や統計解析の専門家の助言を受けた。