多くの児童たちが乗り込んだ駒岡線のバス=札幌市南区の市営地下鉄真駒内駅前で2024年7月24日午前8時4分、片野裕之撮影 深刻な運転手不足によるバス路線の減便や廃止は、もはや都市部でも珍しくなくなった。それどころか、その波は多くの小学生が登下校で利用する路線まで押し寄せてきた。札幌市のある地区は今、公立小学校を支えてきた公共交通の在り方を巡って揺れている。 JR札幌駅から南に12キロ。札幌市南区・駒岡地区の緑豊かな自然の中に同市立駒岡小学校はある。学校林や近くを流れる精進川での体験学習などを特色とし、校区にかかわらずに希望者が通える小規模特認校だ。 全校児童81人のうち、地区外から通学しているのは68人。大半の児童は登下校の際に、地区内唯一の公共交通機関である路線バス「駒岡線」を利用する。 市営地下鉄南北線終点の真駒内駅から恵開拓記念碑前までの8・1キロを結ぶ駒岡線は、平日に11往復、土休