もちろん既に速報性は失われていて、一方で厚生労働省も金融庁も、年金と運用について様々に再検討を重ねている最中だろうが、どこにリスクがあるのか、それを誰が負担しているのか、という例の観点から、この問題について今日は取り上げたい。何が起きたのかは、皆さん御存知のとおりだが、一行に要約するなら、本来第三者が評価するところの運用実績が、意図的に誤魔化された。さらに要約するなら詐欺だ。 デリバティブズについての報道も目についたが、投資対象が何であれ、多かれ少なかれ似たような問題は起き得たわけで、そこは放っておこう。存在する「はず」だった資産は、二千億円と大きかった。ハリボテに騙されて金を預ける年金基金が続出した点を責める向きも多いが、資産の管理と運用の指図を分離する契約の下で、こんな改ざんが技術的に可能だと考えなかった専門家は多いだろう。結果的に、年金加入者が受け取るはずだった金の一部は失われ、ある