2009年に発行された銀行が発行した劣後債は、8年満期が多く、つまりそれは3年後に繰り上げ償還される可能性が高いことで、今年に入り、その借り換え目的とみられる個人向け劣後債の発行が増加している。 劣後債とは、劣後特約のついた社債のことである。劣後特約とは社債に付けられた特約条項のことである。その特約条項の内容は通常、劣後債を発行した企業が倒産した場合、劣後特約のついた社債の返済は一般債権者への支払いが全て完了した後に行うという内容となっている。デフォルト時の元利金の支払い順位が一般債務よりも低くなっており、もし発行した企業が経営破たんした場合には、株式と同じく紙切れ同然になるリスクがある。劣後債のリスクは、一般に普通社債と株式の間くらいとの認識のようであるが、その分、普通社債よりも利率は高く設定されている債券である。 劣後債の発行体をみると金融機関が比較的多い。金融機関は法律で一定以上の自