キヤノンは18日、次世代薄型テレビ「SED(表面電界ディスプレー)」の開発子会社、SED社(平塚市)を9月30日付で解散すると発表した。液晶、プラズマなど薄型テレビの価格が下落する中、SEDテレビは開発コストを抑え切れず、市場で競争力が保てないと判断した。SEDパネルの研究開発はキヤノンが引き続き行う。 SEDはブラウン管テレビの技術を応用した高画質と、液晶、プラズマテレビ並みの薄さを兼ね備えた「次世代テレビ」として期待を集めていた。 キヤノンは2004年、東芝と合弁でSED社を設立。当初は08年の北京五輪まで発売を目指していたが、関連技術をめぐる米国企業との訴訟の長期化や、東芝との合弁解消などで製品化が難航。数度にわたり発売を延期していた。 SED社の解散について、キヤノン広報部は「色調、品質などで従来の方式を超えるパネルの試作に成功したが、適正な採算性を確保して事業化するのは困難」と説