風呂はいい。 広ければなおさらいい。 健康ランドだったら最高だ。 私がもし、平日に休みがとれたなら、朝から健康ランドへ向かうだろう。 広くて明るい浴室で、ガラス越しに眩い光を浴びながら、ゆったりと四肢を広げ、小原庄助さんの気持ちになるのだ。 庄助さんとういうのは身上を潰した人だけど、朝寝・朝酒・朝湯を楽しんで身上を潰したのなら、それはまた本望というものだろう。 平日の健康ランドは、最高に空いている。 大きな浴槽は、私一人のもの。 そう、私は今日は、王様なのだ。 大きなジャグジーも、いい香りの薬湯も、ミストサウナの塩さえも、すべて私の手の中だ。 泡風呂に飽きれば、次はサウナへ行こう。 サウナ室の小窓から、内部の様子を伺って、先客に軽く会釈なんぞをしつつ、無我の境地に浸るのだ。 何故か毎回顔を合わせるおばちゃんもいる。 しかし、『彼女は一体なぜいつもここにいて、どれくらいの頻度でここにいるのか