京都大大学院人間・環境学研究科の酒井敏教授(51)と京都府立京都八幡高校、積水化学工業が、木陰並みに涼しい日よけの共同開発に成功した。塩化ビニール製の三角形の素材を組み合わせたもので、その幾何学的な形から「フラクタル日よけ」と命名。京都八幡高の屋上などに設置し、実用化に向けて研究を重ねている。 さまざまな形の日よけを作り地表温度の測定を繰り返した結果、「フラクタル」が一番効果的と分かった。屋根で完全に覆うより温度が下がり、冬は逆に放射冷却を防いで寒さを和らげるという。 京都八幡高3年の重友望里(みさと)さんは「普通の屋根より涼しいし、風通しが良くて気持ちいい」と笑顔。酒井教授は「屋上に設置すれば建物内部の温度も下がる。屋上緑化に比べ費用も安上がり」とPRしている。【望月亮一】