大袋に入ったオートミール、紙筒に入ったポテトチップス、もしくはティーバッグの箱——。どれもこの倉庫ロボットにとっては同じだ。世界最大のオンライン専業食料品店オカド(Ocado)によって開発された機械は、食料品が隙間なく入った大きな外箱から1つ1つの商品を選び取るように設計されている。高度に自動化された配送センターで、顧客から注文を受けた商品を選んで集めるためだ。 ロボットの可動式のアームの先端には、小さな吸着カップが装備されている。吸着カップが付いたアームを商品に下ろして、吸引力を使ってピックアップする。当初、オカドのエンジニアは、商品パッケージの精密な3D模型を作り、画像認識を使って商品を選び取るつもりだった。しかし、実際には、ロボットが作業をするそれぞれの食料品が入っている外箱には、すべて同じ商品がたくさん入っていることに気付いた。つまりロボットは、乱雑に散らかった商品から特定の品物を