医学部付属病院を持つ全国43の国立大学法人が、いずれも入札を行わずに、病院内の売店やレストランなどの運営を、大学関係者らの財団法人に任せていることが分かった。文部科学省OBが天下った財団もあり、ほとんどは売店などの経営を民間に再委託しているが、建物使用料は格安になっているケースが多い。財団による病院関連業務の民間への再委託をめぐっては、会計検査院から「不透明」と改善を要求された例もあり、検証が必要だ。(三枝玄太郎) ■■ 病院を持つ全国の国立大学法人は、いずれも大学職員OBや文科省OBを理事に迎えた財団法人を設立しており、レストランや喫茶店、売店、理容店などの運営は、ほとんどが財団に任せている。入札を行っている大学はゼロだ。 滋賀医科大(大津市)の場合、付属病院内のレストラン、売店、喫茶店、理容店を運営するのは、大学関係者が理事長を務める財団法人「和仁会」(大津市)。 大学によると、病
外科医や麻酔医、看護師らが連携して医療を行う「チーム医療」の総責任者が、患者に手術の危険性などを説明する義務を負うかどうかが争点となった訴訟の上告審判決が24日、最高裁第1小法廷であった。甲斐中辰夫裁判長は「主治医の説明が十分ならば、総責任者は自ら説明しなかったことの責任を負わない」との初判断を示した。 その上で、総責任者個人の説明義務違反を認めた2審大阪高裁判決を破棄、主治医の説明が十分だったかなどを審理するため大阪高裁に差し戻した。 訴訟は、近畿大学医学部付属病院で平成11年、心臓手術を受けて死亡した男性の遺族が、チーム医療の総責任者だった医師らに損害賠償を求めたもの。 1審大阪地裁は遺族の請求を退けたが、2審は「総責任者は手術の危険性を説明する義務があったのに怠った」として、330万円の支払いを命じていた。
厚生労働省は3日、医療死亡事故の原因究明と再発防止を目的にした国の新組織「医療安全調査委員会(医療事故調)」の第3次試案をまとめた。医療事故調をめぐっては、被害者遺族らが早期の設置を望む一方で、現場の医師らから「萎縮医療につながる」との反発がある。ただ、どちらもよりよい医療を実現したいという思いは同じ。医療事故調のあり方を考える。(平沢裕子) 医療事故調は「診療行為に関連して患者が死亡したときに、中立的専門機関に届け出を行う制度が必要」とする医学関係の学会の声を受けて、厚生労働省が制度づくりを検討してきた。新制度を望んだのは、平成11年に横浜市立大付属病院(横浜市)で手術患者を取り違える事故があって以降、医療事故に警察が乗り出すケースが増えたことがある。 第3次試案では、診療中の予期しない死亡事例(異常死)の届け出を警察署に出すことを義務づけた医師法21条を改正し、医療機関からの届け出を事
ポンコツ研究日記~悩める産婦人科医のブログ~臨床に戻って四苦八苦。日々の診療もさることながら、立場的には上と下に挟まれる中間管理職。 そんなポンコツ産婦人科医の日記です。代理母に関するトラブルシューティング 代理母について、もうちょっと考えてみます。 代理母に興味をお持ちの方、ぜひ一緒に考えてみてください。 考える材料として例をあげてみました。 まず、一番困るケースから。 1) 代理母が出産後、児を自分の子供であると言い張ったらどうしますか。 現状の民法のままでは、 産んだ母が実の母となってしまいます。 また、逆のケースとして卵子提供を受けて出産したら、卵子 を提供した女性から「私がその児の遺伝上の母だから、自分の子供である」と言われたらどうしますか。 2) 代理母が出産後、実の父母が児を受け入れなかったらどうしますか。特に、児に先天奇形があった り、実の父母の生活環境
心停止、とにかく胸押して 救急医ら調査、指針見直しへ 2008年04月05日13時43分 心停止状態で倒れている成人を助けるには、胸を押し続けて圧迫するだけでも、人工呼吸を加えた方法と同じ蘇生効果があることが、日本の二つのグループの調査でわかった。調査を受けて米心臓協会(AHA)は、この「圧迫」を蘇生法として市民に勧める見解を発表。日本でも指針が見直される見通しだ。 心臓発作などで倒れた場合、命を大きく左右するのは早期の心肺蘇生。蘇生法は、胸の真ん中を押す「胸骨圧迫」と人工呼吸を交互に行うのが原則で、海外でも同じ。ただ、第一発見者の多くはたまたま居合わせた人。他人に口をあわせる人工呼吸に抵抗感があるのが課題だった。 ところが京都大の石見拓・助教や大阪府の救急医らの調査で、人工呼吸を省いても効果が変わらないことがわかった。調査対象は、98〜03年に心臓病で心停止して倒れたが、近くに人がいた大
高齢者ご注意、避けた方が良い薬のリスト 国立研究機関 2008年04月01日06時06分 若者に比べて薬の副作用にさらされやすい高齢者向けに、避けたほうがよい医薬品リストを国立保健医療科学院の今井博久疫学部長らの研究グループがつくった。同科学院のホームページで今月上旬に公表する。患者の年代に着目して「不適切な薬」がリスト化されるのは国内初という。 掲載されるのは、睡眠薬や解熱薬、降圧薬、抗血栓薬など約70種類で、医師の処方が必要な薬。65歳以上の患者には一般的に、このリストにある薬は避けた方がいいと、高齢者の診療にあたる医師らに対して推奨している。年を重ねると肝臓や腎臓の働きが悪くなり、副作用の影響を受けやすくなるためだ。患者や家族らにも気をつけてもらいたいと、一般に広く公表する。 リスト選定の基準は、(1)服薬によってふらついて転倒する、幻覚が出る、尿の出が悪くなるなどのリスクがあり、薬
埼玉県春日部市の同市立病院に入院中の患者の家族が院内で過剰なクレームをつけたとして、市が患者の家族に医療妨害の禁止を求めた仮処分申し立てで、市は28日、さいたま地裁越谷支部(大野昭子裁判官)が仮処分を認める決定をしたと発表した。決定は25日付。市によると、患者側の医療妨害への仮処分命令は全国でも例がないという。 市によると、同市の60代夫婦が、平成18年3月に入院した90代の母親の治療をめぐり、病院の廊下やナースセンターで「おむつがぬれていて虐待だ」「シャワーでやけどさせられた」と大声で怒鳴ったという。 また、主治医や看護師に病状の説明を繰り返し求めて夜勤中に押しかけるなど業務に支障をきたし、他の患者からも苦情が寄せられたため、市は今年2月、仮処分を申し立てた。 仮処分では、夫婦は医師や看護師を大声で畏怖(いふ)させ、虐待など虚偽の誹謗(ひぼう)中傷で診療行為を妨害してはならないとしている
4月から診療報酬改定、再診料「5分ルール」 待ち時間長くなるかも…520円加算、対話が条件 診察時間が5分以上になると料金が変わります――。4月の診療報酬改定で、そんなルールが外来の再診料に導入され、5分未満だと外来管理加算(520円)がなくなる。 「懇切丁寧に診察してもらうため」と厚生労働省は説明、じっくり話す機会は増えそうだが、現場の医師からは「時間で区切るなんて」「加算が減って大幅な減収になる」と反発も強い。医師の話が長引いて待ち時間が増えるという見方も出ている。 再診料は、診療所と中小病院(一般病床200床未満)が対象。処置や検査、リハビリ、精神療法などがなく、問診や身体診察、説明、指導が中心の時は、基本の再診料(病院600円、診療所710円)に外来管理加算を上乗せできる。 現在は時間の規定がなく、ほぼ自動的に加算されているが、4月から「おおむね5分以上」が条件になる。3割負担の患
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