横綱日馬富士が貴ノ岩を殴ってケガをさせた事件が発覚して以降、マスコミ(特にテレビ)のこの問題の取り上げ方は、尋常ではなかった。ワイドショーと呼べばいいのか、情報番組と呼んで欲しいのか分からないが、そうした番組はもう連日、これを話題にしてきた。特に事態に変化がなくても、「これまでのおさらいです」とか言って、何日間も繰り返してきた話を蒸し返す。北朝鮮を巡る情勢や新幹線のぞみの台車破断インシデントや、あるいはエルサレムを巡る問題、あるいは子供の貧困や子育て環境……そのほか掘り下げなければならない問題は多々あるではないか、と思う。 しかも、いつの間にか白鵬vs貴乃花、八角理事長vs貴乃花親方といった対決構図が仕立てられ、コメンテーターが想像や推測に基づいた話を展開。そして、いずれの対決構造においても、なぜか白鵬はヒール役で、番組やネット上で激しい白鵬叩きが行われてきた。白鵬があたかも事件の”黒幕”